水道水の放射能除去・対策は?

家庭である程度は放射性物質が除去できる?

Water
Water / Tom Raftery

水道水に混入した放射性物質の濃度が気になる場面が増えました。

赤ちゃんのミルクにはなるべく水道水を使わないように推奨された地域もあったりと、この問題に神経を尖らせている方も多いと思います。

特に生活用水は、ミネラルウォーターで身体を洗うという訳にもいきませんし、どうしてもある程度は水道水を使わざるを得ない面もあります。

さらにミネラルウォーターをなるべく使うといっても、経済的になかなか厳しい場合も多いです。料理に使うだけでもかなりの量の水が必要ですし、そこにお茶を沸かしたり飲んだりというのが加われば、一日分だけでも結構な消費量になってしまいます。

しかし、家庭である程度は放射性物質が除去できることをご存知でしょうか?
完璧にとはいかないですし、また問題もあるのですが、放射能除去についての正しい知識を知っておきましょう。

家庭でできる水道水からの放射能除去

Running tap water
Running tap water / Joe Pell

家庭でできる水道水からの放射能除去の手段は、主に以下の2つになります。

・浄水器-逆浸透膜(RO膜)のついたもの
・活性炭

逆浸透膜のついた浄水器は、『水は通してもその他の物質は通さない』というフィルターを使ったもので、『他の物質』と同様放射性物質も除去できます。

活性炭は、非常に小さな穴がたくさん開いた炭です。この小さな穴が極めて小さい物質も吸収してくれるのですが、ここに放射性物質も吸収して水や空気から除去してくれます。

しかし、このふたつには大きな問題もあります。
使用済みのこれらのものを部屋に置いておくと、放射線を発し続けてしまうのでいずれは捨てなければなりません。
しかしここで、放射性物質の溜まった膜・活性炭の処分をどうするかという問題が持ち上がります。

何故なら、『放射性物質の分解はできない』ためです。例えばどこかの土地に捨てればその場所に放射性物質が溜まることになりますし、燃やせば拡散させてしまいます。
現状分解する手段はなく、時間(ものによって億年単位)に任せるしかありません。

なので、家庭で『除去』する手段はあるのですが『分解』する手段というのはないのです。
もし浄水器や活性炭を利用するのであれば、以上のことを念頭に置いて、怪しげな商品に気をつけるようにしたいものです。

また、煮沸させるのはカルキ抜きには有効ですが、放射性物質に対しては減った水の分、濃縮されてしまうので危険です。

なので、最も効果のある手段としては、
・外国産(なるべく日本から離れた場所)のミネラルウォーターを使う
・原発のある地域からなるべく遠い地域のミネラルウォーターを使う

のふたつ。

さらに次善の策として、
・逆浸透膜(RO膜)のついた浄水器、活性炭を使用する
ことを覚えておくと良いと思います。

赤ちゃんの健康のためにも、『除去に対する正しい知識』がお役に立てれば幸いです。

文:柊クイチ

※放射能除去・対策については、このページの情報だけではなく、専門家に聞くことがおすすめです。